いい記事があったのでメモります。
あなたの給料を上げるための“逆張り”と“先読み”
Business Media 誠 10月25日(月)18時46分配信
資本主義の国では、給与は「需要と供給」で決まるのが基本です。
日本全国のハローワークには失業者があふれていますが、一定のITスキルをもった人や、英語や中国語での業務経験がある人など、特定のスキルや経験を持った人は引っ張りだこです。リーマンショック前の景気が良かった時には、名古屋地域の期間工や派遣社員の時給は、他エリアより高いと言われていました。
つまり給与は仕事の価値とはあまり関係なく、基本的には“需給”で決まるものなのです。であれば、給与を上げる方法は2つ考えられます。
1.多くの人にはできないスキルを身に付ける
ある仕事をやれる人がたくさんいれば、供給(応募者)が増え、会社側は給与を上げる必要性を感じません。労働力は買い叩かれてしまいます。
高い給与を得るためには、多くの人が持っていないスキルを習得する必要があり、そのためには、周りの人が勉強していることとは異なることを学ぶ必要があります。
世間一般の人と異なる分野に時間やお金を投資して勉強するのは、勇気がいることです。周囲の人を見て同じように判断するのは楽で安心だし、親はたいてい本人より保守的なので、我が子がみんなと同じであることを強く望んでいます。
本当は、みんなと同じことをやるのはわざわざ供給過多の海に飛び込むような行為です。けれど一方で、周囲と同じことをやっていれば安心できるのも事実です。
だからこそ“他者と違うことをする”というリスクをとった人だけが、高い給与を手にする可能性を得るのです。これを逆張りと言います。
2.世の中が求めていることが、できるようになる
他者が持たないスキルを身に付ければいいとはいえ、スイカの種を100メートル飛ばせても高給の仕事は得られません。「世の中が求めていないこと=需要のないこと」ができても、意味はないのです。
しかし、「世の中で何が求められているか」ということを理解するのも簡単ではありません。なぜなら、現時点で求められているスキルは、すでに多くの人が習得を目指しており、供給はすぐに増えてしまうからです。
必要なのは、「将来、世の中で求められること」を予測して準備することです。これを先読みと呼びます。
ちきりんは、起業して30歳前後で大金持ちになった起業家たちが金銭的に報われることは当然と思います。彼らは逆張りのリスクをとり、先読みして(結果として)当ててきたのです。
モノ作りニッポンを支えてきたメーカーの技術者の仕事の価値は非常に高いでしょう。けれども、需給で考えれば彼らの給与が低いのもまた当たり前です。
彼らは「ほかの人と違うことをやる」という逆張りリスクをとっていません。「日本の有名大企業の社員になりたい」日本人はたくさんいます。メーカーに限らず、日本の大企業の大半は今より何割か給与を下げたとしても応募者数が減ったりはしないでしょう。
また、「これから世の中がどうなっていくのか」、それにともなって「将来、自分には何が求められるのか」という判断についても、会社員の多くは“辞令”に従い、自分で先読みするのではなく、会社組織の判断に任せてしまっています。
逆張りも先読みもしなければ、給与は払う側の思惑通りにしか動きません。
経済が好景気で会社がもうかっていれば、それでも毎年少しずつ給与は上がっていくでしょう。しかし、会社の業績が悪くなってきた時、逆張りも先読みもしてこなかった人は、会社が提示する給与をそのまま受け入れるしか方法がありません。
給与を上げるためには、人と違うことをやり(=逆張りで供給の少ない分野を狙い)、ここぞと思う分野を自分で選択していく(先読みで需要が大きい分野を予測する)ことが必要なのです。
そんじゃーね。
※本記事は、「Chikirinの日記」において、2005年9月6日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。